お金を騙し取られない、たったひとつの心構え

「ノット・ファースト・コミットメント」を徹底して詐欺・悪徳商法被害ゼロを目指す

詐欺・悪徳商法は3種類に分類できる

この「詐欺対策(実践編)」と名づけたカテゴリーでは、「ノット・ファースト・コミットメント」の実践のため、詐欺や悪徳商法の事例を大きく15種類にわけて紹介してきました。

この種類分けについては、田中大筰氏の『詐欺・悪徳商法から身を守る方法』を参考にしたものですが、それでも15種類という数は、それだけ詐欺・悪徳商法の手口が複雑化、多様化していることを物語るものです。

それでなくとも、詐欺や悪徳商法の手法は日夜発展しているという現実があります。もしかしたら将来において、ここでは分類しきれないあらたな手口が生み出される可能性もあります。そうなった場合、またあらたな知識を収集し、騙されないように対策を考えなければならなくなる、ということです。

さすがに、それではキリがない、という思いもあって、私は「ノット・ファースト・コミットメント」というたったひとつの詐欺対策を考案しました。とにかく、相手がなんとしても引き出したがっている「コミットメント」を、その最初の時点で拒否するという姿勢、最悪でも、金銭がらみの話が出てきたときに、その場での「コミットメント」だけは絶対に与えないという姿勢は、相手が詐欺師や悪徳業者であろうがなかろうが、この人間社会を生きていくうえで有効な処世術です。

ところで、この15種類の詐欺・悪徳商法についてですが、それぞれの事例を見ていくと、いくつかの共通点があることに気づきます。

「ノット・ファースト・コミットメント」は、相手からの最初のアプローチを潰すことを主眼としているため、まずはこの15種類の詐欺・悪徳商法における最初のアプローチに着目し、その「タイプ」と「手段」がどのようなものであるかをまとめてみました。

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表の列項目にある「アプローチタイプ」では、ターゲットに対して向こうからガンガン攻めていくタイプを「能動型」、逆に何らかのワナを仕掛けてターゲットのほうからのアプローチを待つタイプを「受動型」と分類しています。

もうひとつの「アプローチ手段」については、最初のアプローチが対人であるか、電話などの媒介を通すものかで、「直接型」「間接型」とに分類しています。

たとえば「キャッチセールス」では、最初のアプローチが街頭での呼びかけ、つまり販売員が直接街に出て、通行人に積極的に声をかけてくるタイプなので、それぞれ「能動型」「直接型」となっています。逆に「架空請求詐欺」の場合、おもに電子メールで嘘の請求書を送りつけ、それに対してターゲットが何らかのアプローチをかけてくるのを待つタイプのため、「受動型」「間接型」となります。

そして、このふたつの項目のそれぞれの種類、つまりアプローチタイプの「能動型/受動型」、アプローチ手段の「直接型/間接型」の4つの要素で、15の詐欺・悪徳商法を分類したものが下の表となります。

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このように、それぞれの詐欺・悪徳商法における最初のアプローチに着目することで、大きく4種類にまとめることができます。もっとも、「直接型」なのに「受動型」という分類は、原則としてありえない(つまり「受動型」詐欺は、すべて「間接型」アプローチ手段をとる)ので、厳密には3種類に分類できるということになります。

言い換えれば、世にあるあらゆる詐欺や悪徳商法は、詳細はともあれ、すべてこの3つのなかのどれかに当てはめることができるのです。