お金を騙し取られない、たったひとつの心構え

「ノット・ファースト・コミットメント」を徹底して詐欺・悪徳商法被害ゼロを目指す

資格商法

就職難でなかなか内定をもらえない卒業間近の学生や、手に職をつけて就職を有利にしたい人、あるいはリストラの不安を抱えている社員や、家計の足しになるような働き口を探している主婦など、昨今の厳しい就業事情を反映してか、「簡単に資格が取得できる」という巧みな勧誘で高額の資格講座やその教材などを購入させる悪徳商法がありますが、それらをまとめて「資格商法」と呼びます。

業者の勧誘する資格の種類が、「行政書士」や「公認会計士」、「社会保険労務士」など、実在する国家資格(~士と名のつく資格)であることが多いことから、「士(さむらい)商法」とも呼ばれる悪徳商法のひとつですが、なかには聞いたこともないような資格の名前を挙げて、「近いうちに正式な国家資格となる」「資格をとるなら今が狙い目」などという言葉で勧誘してくるケースもあります。

悪徳業者からの最初のアプローチは、電話やダイレクトメールなどといった方法がありますが、やはり電話による勧誘が圧倒的に多く、またサラリーマンを狙う場合は勤め先の会社に直接電話をかけてくることもよくあります。

これまで挙げてきた悪徳商法のなかでは珍しく、教材などの商品販売が目的であることが、比較的早い段階からわかるため、「ノット・ファースト・コミットメント」を適用しやすいパターンではあるのですが、そうした欠点は業者側もわきまえているらしく、仮に断りの返事をしたとしても、場合によっては「送り付け商法」のように強引に商品を送付してくることもありますので、なかなか気を抜けない悪徳商法でもあります。

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この「場合によっては」の内容なのですが、たとえば「結構です」や「わかりました」といったこちら側の言葉を「コミットメント」、つまり了承だと勝手に見なし、契約書を送りつけるといったものです。ネットで「資格商法」を検索すると、そうした事例がいくつか見つかるのですが、最初にこのケースを見つけたときは、そのあからさまな開き直りに「本当か?」と疑ったほどです。

むしろ問題なのは、たとえ返品を求めたとしても、逆に開き直った業者が強硬に契約を求めたり、あるいは「裁判沙汰にする」「会社に連絡する」など、脅迫まがいの言葉を吐いてきたりすることです。

これまでの「ノット・ファースト・コミットメント」の適用のところでも書いてきたところですが、もし少しでも疑わしいところがあれば、「断固たる態度」で拒否するようにしてください。もちろん、「結構です」などといった柔らかい物言いではなく、「いらない」「必要ない」と強く訴えるようにしましょう。

そして、そうした勧誘に興味をもってしまう以前に、自分にとって本当に必要な資格はどういうものなのかを、今一度冷静に考えるようにしたほうがいいでしょう。そうすることによって、資格を取得するための情報を自分で集めるという能動的な行動に出ることもできます。そもそも国家資格というのは、誰でも簡単にとれるようなものでは資格としての価値を下げてしまいます。

また仮に、資格を取得できたとしても、それですぐ独立できるということもまずありえないものです。そうした現実についても、きちんと把握しておきましょう。