詐欺だとわかってもお金を振り込んでしまう心理
「劇場型」詐欺シナリオの定番
振り込め詐欺について調べていると、よく「劇場型」という言葉と出くわします。
これは、複数の詐欺師がそれぞれ役割を演じることで、より臨場感を出すような詐欺の手口のひとつで、ターゲットの心理をかく乱し、より効果的に追い詰めることを目的としています。
警視庁のホームページでは、こうした「劇場型」によるオレオレ詐欺が最近の傾向だと書かれていますが、詐欺グループのなかでは、もはや古典的と言えるものになっています。
劇場型詐欺は、詐欺師がまるで劇団員であるかのごとく、それぞれの役割を演じ切るところからつけられた名称ですが、そこにはターゲットを心理的に追い込むための「シナリオ」も、あらかじめ用意されています。
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「オレオレ詐欺」をはじめとする特殊詐欺の手口、それも、高齢者をターゲットとした手口について、年々その多様化、巧妙化、組織化が進んでいるという話をよく聞きます。そして、その高度な詐欺のテクニックを支えているもののひとつに、ターゲットの詳細な個人情報をつかんでいる、というのがあります。
たとえば、「オレオレ詐欺」の場合、もはや「オレオレ母さん、オレだけど」といった切り口ではなく、詐欺集団はすでにターゲットの息子や娘の名前、職業、携帯番号などをすべて把握したうえで、巧妙な詐欺を仕掛けるパターンが多くなっています。
こうした詳細な情報があるのとないのとでは、詐欺の成功率が大きく異なってくるというのは、素人でもわかることですが、このような個人情報や家族情報がどこからどうやって漏れているのかについては、その一端が明らかになっています。
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ア・タ・リ・マ・エの原理と「カチッ・サー」
被害者を責める人の心理
詐欺の被害に遭ったとき、人は必要以上に自分を責めるものだということは、じっさいに詐欺の被害者となった経験のある自分自身がよく理解していることですが、それ以上に、詐欺の被害に遭った人に対して、それとは無関係の人たちまでもが必要以上に彼を責め立てるような態度をとることがある、という点に、私は強い憤りを感じずにはいられません。
なぜ、詐欺行為をはたらいた加害者ではなく、被害者のほうを責めるようなことをするのか、なぜ被害者のほうに過失があるかのように考えてしまうのか、ということについて、私は今まであまり深くは考えてはきませんでした。それよりも、いかに人がたやすく騙されてしまうのか、いかに他人の言動に影響されてしまうのか、という心理のほうにこそ興味があったし、それを知ることで、いかに詐欺や悪徳商法から身を守るべきかのほうが、ずっと重要なことだったからです。
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